空き家を、次の世代へつなぐ地域の資産に
―「空き家の悩み大相談会」開催報告―

9月27日、ライフパーク倉敷にて「空き家の悩み大相談会」を開催しました。

当日は、8業種20名が相談対応などに携わり、高校生の皆さんにもお手伝いとして参加していただきました。分野や世代を越えて、地域の空き家について一緒に考える活動となりました。

会場には21組もの相談者が訪れ、それぞれが抱える悩みや、これからの住まいについてお話を伺いました。ご来場いただいた皆さま、ご協力いただいた関係者、そして高校生の皆さんに、心より御礼申し上げます。

空き家の相談は「売る・壊す」だけではありません

最近は、空き家の今後の活用についても、ご相談をいただく機会が増えています。

その内容は、不動産の売買や建物の改修にとどまりません。家財の片付け、解体、相続、土地の境界、日々の管理、そして利活用の方法まで、多岐にわたります。いくつもの課題が重なり、「何から始めればよいか分からない」という方もいらっしゃいます。

だからこそ、一つの専門分野だけで判断するのではなく、さまざまな立場から課題を整理し、その方に合った道筋を一緒に考えることが大切です。今回のように複数の業種が連携する相談会には、その最初の一歩を支える役割があると感じています。

また、問題が大きくなる前に相談することで、選べる方法も広がります。「まだ方針が決まっていない」「家族で話せていない」という段階でも、まずは相談することから始めていただければと思います。

建物の先にある、地域の暮らしを考える

私たち古民家再生協会は、古い建物に残る職人の技や、地域に受け継がれてきた住文化を、次の世代へつなぐことを大切にしています。

長く住み継がれてきた家には、ご家族の思い出とともに、その土地の歴史や暮らしが刻まれています。地域の風景を形づくってきた、大切な存在でもあります。

もちろん、建物の状態や所有者のご事情によって、適した選択は異なります。残すこと、改修して使うこと、次の使い手へ引き継ぐこと、解体して土地を活かすこと。それぞれの可能性を丁寧に考えていく必要があります。

その際に大切にしたいのは、「この空き家を、これから地域の中でどう活かしていけるか」という視点です。

住まいとして新たな暮らしを迎える場所にする。人が集まる場や、新しい仕事が生まれる場として活用する。所有者だけで抱え込むのではなく、地域の皆さんと一緒に考えることで、空き家が地域に貢献する場所へと変わる可能性があります。

一軒一軒と向き合い、次の世代へ

今回、高校生の皆さんにも活動に参加していただけたことを、うれしく思っています。若い世代が地域の課題に触れ、まちの未来を考える機会になることも、こうした活動の大切な意味の一つです。

空き家を「負の財産」にするのではなく、次の世代へつなぐ「地域の資産」へ。

今回の相談会が、倉敷の空き家を一軒でも良い形で次につなぐきっかけになれば幸いです。これからも地域の皆さまや各分野の専門家と力を合わせ、所有者の思いに寄り添いながら、地域の未来につながる空き家の活用に取り組んでまいります。

 

一般社団法人 全国古民家再生協会
岡山第一支部 支部長 正田 順也